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サントリーウイスキー蒸溜所ブログ -日本のウイスキーのふるさとから-

水野めぐみ 白州製樽工場つくり手インタビュー 樽づくりについて聞いてみました<2>

こんにちは。森川ユタカです。前回は白州製樽工場の八巻(やまき)顧問にインタビューし、サントリーの樽づくりへのこだわりや、数ミリ単位で組み立てられる樽づくりの難しさ、奥深さを教えていただきました。今回も引き続き樽づくりについて伺いたいと思います。

 

(森川)「さてここまでは、樽の組み立てについてお話を伺ってきましたが、今度は樽づくりに使う材料について聞かせてください。樽をつくる材料は板だけなんですか?」

(八巻)「樽は、板とフープ(帯鉄)という樽を締める金属の輪だけでつくります。金釘や接着剤などは一切使用しません。側板と帯鉄を使って樽を組み立てた後、次は【アリ切り】という側板の長さをそろえる作業を行います。そして板の長さがそろった所で、鏡板(かがみいた)をはめます。」

(森川)「鏡板はニューポットを詰めた年などが記載されている樽の両端に付く円形の平板ですよね。」

鏡板のはめこみ

鏡板のはめこみ

 

(八巻)「森川くんは、鏡板をはめる時、その差し込む向きまでちゃんと決まっているって知っていたかな?より強度の高い樽をつくるために鏡板の木目を見ながら決めているんだよ。」

 

(森川)「初めて聞きました!そんな細かいところにまで気を配りながら作業するんですね。

ところで、この鏡板、新築の家の様ないい香りがしますね。」

(八巻)「これは杉材です。ほとんどの樽はオーク材を使用しますが、その他にもサントリーでは、桜や高野槙(コウヤマキ)といったちょっと変わった材を使うこともあるんですよ。」

(森川)「まさしくジャパニーズウイスキーという香りですよね!」

 

鏡板のペインティング  
ちなみに鏡板のペインティングも手作業で行われています

 

(八巻)「鏡板をはめこんだら、次が【フープ(帯鉄)付け】です。機械を手で操作しながら、ちょうど良いポイントでフープを取り付けます。ポイントは目で見た位置で判断するだけでなく、樽と機械がこすれる音も聞きながら、これまでの経験と勘によって判断しているんです。これもまた数センチ単位の調整でとても細かな作業なんですよ。」

(森川)「僕らが貯蔵庫で見る樽にだんだん近付いてきましたね。板が、見る見るうちに樽になっていくんですね。まるで手品みたいだ。」

(八巻)「あはは、でもまだ完成ではないんですよ。この後は、「ダボ穴」というウイスキーを出し入れするための口穴を空けます。さらに中に水をいれたり、空気(空圧)を入れて、漏れないかどうかをチェックします。少しでも不具合が見られる場合には、またその場所に応じて微調整を繰り返していくのですが、その調整に使うのがこれ、ガマの茎なんです。」

(森川)「あの池や沼にはえているガマの穂の茎を使うんですか?触ってみてもいいですか?…なるほど!スポンジ状なんですね。これで隙間を埋めているというわけですね!」

 

フープ  
 何枚もの側板や鏡をがっしりと密着させているフープ(帯鉄)

 

(八巻)「はい。何十年にもわたって貯蔵しなくてはなりませんから、最後の最後まで気が抜けませんよ。長期熟成に耐えられるように、素晴らしいウイスキーが出来るようにと、一丁一丁想いをこめて丁寧につくっています。

(森川)「そういった想いが『白州』という美味しいウイスキーをつくり上げているんですね。」

 

(八巻)「そうなんです。グラスの中の『白州』には、自然の恵みとウイスキーづくりに携わる全ての人の想いがこめられているんです。」

 

(森川)「ウイスキーって、素敵なお酒ですね。これからも大切に飲んでいきたくなりました。最後に、八巻顧問にとって仕事の『やりがい』とは?」

 

(八巻)「望んだ通りの美味しいウイスキーが出来たときは勿論、加えて“自然のサイクルを感じながら仕事が出来ること…”かな。」

 

(森川)「“自然のサイクル”というと?」

(八巻)「ウイスキーはステンレスやガラスの樽では決して熟成は出来ないんです。ウイスキーの原料となる大麦や仕込みの水はもちろん、樽の原料は主に楢(ナラ)の木を使っていますし、全ては自然から頂いているもの。その自然からの恵みを我々が樽にし、樽が美味しいウイスキーを育み、製品となり世に出て行く。そしてさらにそれだけでは終わらないんです。樽としての役目を終えたオークも、まだまだ家具や建材としては立派に通用します。サントリーでは熟成に使った樽を家具材として再利用し、新たな命が吹き込んでいます。
単純に考えても、樽として60年~80年、その後家具などに生まれ変わりさらに50年。つまり100年近く使えるものをつくることが喜びであり、僕のやりがいです。

(森川)「なるほど…、何だかロマンを感じます。」

 

古樽使用オーディオスピーカー

古樽を使用したつくられたオーディオスピーカー

 

 

古樽使用プランター  
古樽を使用したつくられたプランター

 

 

(八巻)「100年かけて森で育った木を、100年使えるようにするのが僕たちの使命であり、 それが自然の恩恵に感謝をすることでもあると思っています。」

(森川)「そうですね。本日話を伺って、人と自然と時間がつくりあげるウイスキーの貴重性や奥深さを改めて感じ、『白州』がますます好きになりました!」

(八巻)「一日働いて疲れて帰ってきた時にほっと一息ついて飲む『白州』の水割りは格別でやめられません。」

 

(森川)「僕も今日から自然に感謝をしながらウイスキーを飲むようにします!本日は貴重な話をありがとうございました。」

 

白州12年と樽  
シングルモルトウイスキー「白州12年」の水割り

 

さて、今回は2回にわたり八巻顧問×森川ユタカで話をしてきましたがいかがでしたか?ぜひ皆さまも職人のさまざまな想いがこめられた、シングルモルトウイスキー『白州』ができるまでの様子を間近でご覧になりませんか?つくり手たち、そして僕たちご案内係一同、皆さまのお越しをお待ちしています!

 

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ご案内係の水野めぐみです!
山崎蒸溜所でご案内係を務めています。

趣味はスポーツ全般。蒸溜所を知る前はワイン好きでしたが、今ではかなりのウイスキー通になりつつあります。

みなさんと一緒にこのブログを盛り上げていきたいです!

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ご案内係の森川ユタカです!
白州蒸溜所に勤務しています。

これまでビール工場、ワイナリーでも働いてきましたが、今はウイスキーの世界を探求中の28歳、健康男児です(笑)。

ツーリングやフィッシングなどアウトドア大好き!リフレッシュもかねて全国各地を走り回っています。

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