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サントリーウイスキー蒸溜所ブログ -日本のウイスキーのふるさとから-

水野めぐみ 日本の風土で、日本人の感性で培った、サントリーウイスキー

こんにちは、水野めぐみです。

蒸溜所でお客様をご案内していると、日本と世界のウイスキーの違いについて聞かれることがあります。お客様によっては、旅行で海外の蒸溜所にいらっしゃった方もいて、例えばスコットランドと日本のウイスキーの異なる味わいや魅力など、いろんなお話を聞かせてくださいます。皆さんは、日本のウイスキーと言われてどういうイメージを思い浮かべますか?


創業当時の山崎蒸溜所

創業当時の山崎蒸溜所

ジャパニーズウイスキーの出発点となったのは、日本初のモルトウイスキー蒸溜所として1923年に建設を着工した「サントリー山崎蒸溜所」。スコットランド以外の地で、本格的なウイスキーづくりが不可能と言われた時代に、寿屋(当時)創業者の鳥井信治郎は、日本の風土で、日本人の味覚にあう国産ウイスキーをつくるため、良い水と自然環境に恵まれた山崎の地に最初の蒸溜所を建設しました。

それは、スコットランドでザ・マッカランなどが政府公認蒸溜所として認可されてから、約100年後のことでした。ウイスキーづくりの歴史が長いスコットランドで、ウイスキーが登場する最古の文献は15世紀末のスコットランド王室の出納記録です。


スコットランドは、北海道より一回り小さな国ではありますが、さすがウイスキーの本場といわれるだけあって、蒸溜所の数は100前後にもなります。生産地も現在では主に5つに区分されており、「スペイサイド」「ハイランド」「ローランド」「キャンベルタウン」「アイラ」というそれぞれの地域の蒸溜所では、気候条件や製造方法が異なるため、その土地の風土ならではの様々な個性をもつ原酒が生産されています。

例えば、アイラモルトはアイラ島で生み出されるウイスキーです。アイラ島の広さは約600k㎡で東京23区と同じくらいの面積しかありませんが、島内には8つの蒸溜所がありピートに由来するスモーキーな香りのウイスキーがアイラモルトの特長です。代表的なウイスキーのひとつに、イギリスのチャールズ皇太子が愛好していることでも有名な「ラフロイグ」があります。

スコットランドでは蒸溜所が多数あり、個性豊かなモルト原酒が多彩にあるので、ウイスキーごとに必要なモルト原酒を買い付ければ、ひとつの蒸溜所で様々なタイプの原酒をつくり分けなくても、色々な味わいを生み出すことができるんです。


スコットランド・アイラ島に位置する「ラフロイグ蒸溜所」

スコットランド・アイラ島に位置する「ラフロイグ蒸溜所」
 

これに対し、日本の蒸溜所の数は10程度。蒸溜所の数だけをみても、スコットランドと日本のウイスキーづくりにおける周囲の環境は大きく異なります。サントリーでは理想の味わいを追い求めていく中で、ひとつの蒸溜所でできるだけ多くの個性をもった原酒を育むためにも、各製造工程でのつくり分けを重要視するようになりました。

例えば山崎蒸溜所では、発酵の工程でステンレスの発酵槽に加え、前回の白州蒸溜所のブログでもご紹介した木桶の発酵槽を使っています。木桶に棲みついた山崎の土地の乳酸菌は、白州とはまた異なった独特の風味をもろみに与えます。これはステンレスで仕上げたもろみとも異なる個性です。

他にも、山崎蒸溜所では蒸溜の工程で6対12基のポットスチルを使い分け、ニューポットのつくり分けも行います。ポットスチルの形は、軽快な味わいの酒質を生む「バルジ型」と重厚感のある酒質が特長の「ストレート型」の2種類で、さまざまな大きさのポットスチルを使い分けることで、異なったタイプのニューポットをつくることができます。


山崎蒸溜所のポットスチル(左:バルジ型、右:ストレート型)

山崎蒸溜所のポットスチル(左:バルジ型、右:ストレート型)
 

一方、スコットランドでは伝統の製法を守っている蒸溜所が多く、例えばスペイサイド地方にあるマッカラン蒸溜所では、創業時からつづく同じ形の小さな「ストレート型」のポットスチルで丁寧に蒸溜しています。そのため、山崎の蒸溜室をスコットランドのウイスキーづくりに関わっている方がご覧になったときに、釜の種類の多さに驚かれたと聞いています。

その他、山崎蒸溜所の貯蔵の工程では、材質や形の違う樽を使い分けることによって、さらに原酒の個性がわかれていきます。その樽の中には、現在のスコッチウイスキーの貯蔵樽の大半以上を占めるホワイトオーク樽や、スペイン産のスパニッシュオークを使ったシェリー樽の古樽、そして日本の蒸溜所しか所有していない北海道産のミズナラ樽などがあります。このミズナラ樽原酒は「山崎」や「響」のキーモルトとなる重要な存在となっています。


山崎蒸溜所の5種類の樽

山崎蒸溜所の5種類の樽
 

こうして、ここ山崎蒸溜所と山梨県の白州蒸溜所で、サントリーは実に100種類以上の原酒を組み合わせて、様々なタイプのウイスキーをつくっています。四季の変化のある日本の風土で、繊細な感覚を持つ日本人ならではの味覚が、複雑さと繊細さを併せ持ったジャパニーズウイスキーを生み出すのです。


山崎でウイスキーづくりの歴史が始まって、今年で88年。近年、多彩な原酒のつくり分けが生み出す、ジャパニーズウイスキーの繊細で複雑な味わいが、スコットランドをはじめとする海外のつくり手からも評価されるようになっています。その象徴として、2010年には、世界的な酒類コンペティション「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ2010」において、シングルモルトウイスキー「山崎1984」が、エントリーした酒類約1,000点の頂点である「シュプリーム チャンピオン スピリット」を受賞しました。


つくり手の工夫やこだわりが詰まった「山崎」の生まれ故郷をその目で見てみたいという方は、ぜひ山崎蒸溜所までお越しください。

現在蒸溜所で実施中の「シングルモルト楽しみ方講座」では、今回ご紹介した日本とスコットランドのウイスキー4種類をテイスティングし、蒸溜所の風土によって異なるウイスキーの個性の違いを体験していただけます。

「シングルモルト楽しみ方講座」のみどころはこちら

また、ウイスキーづくりのこだわりを、「ニューポット」や「山崎」「白州」を構成する原酒のテイスティング、特別映像などを使ってご紹介する「ウイスキー匠の技講座」もおすすめです。

「ウイスキー匠の技講座」のみどころはこちら

こちらの2つのセミナーは、山崎・白州蒸溜所の両方で実施中です。皆さまのご参加をお待ちしております。

山崎蒸溜所のホームページはこちら
白州蒸溜所のホームページはこちら


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水野めぐみ 山崎蒸溜所 水野めぐみ

ご案内係の水野めぐみです!
山崎蒸溜所でご案内係を務めています。

趣味はスポーツ全般。蒸溜所を知る前はワイン好きでしたが、今ではかなりのウイスキー通になりつつあります。

みなさんと一緒にこのブログを盛り上げていきたいです!

森川ユタカ 白州蒸溜所 森川ユタカ

ご案内係の森川ユタカです!
白州蒸溜所に勤務しています。

これまでビール工場、ワイナリーでも働いてきましたが、今はウイスキーの世界を探求中の28歳、健康男児です(笑)。

ツーリングやフィッシングなどアウトドア大好き!リフレッシュもかねて全国各地を走り回っています。

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