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サントリーウイスキー蒸溜所ブログ -日本のウイスキーのふるさとから-

森川ユタカ 冬の白州蒸溜所のウイスキーづくり ~蒸溜工程~

こんにちは、森川ユタカです。
3月に入り白州の厳しい冬の寒さも少しずつやわらいできましたが、まだ時おり雪の降る寒い日がつづいています。白州蒸溜所は標高が約700mという高地にあるため、気温は氷点下まで下がる日もありますが、ウイスキーづくりはこの寒い時期も行なわれています。今日は冬の蒸溜工程についてご紹介します。

白州では3月に入っても雪が降ります
白州では3月に入っても雪が降ります
 
蒸溜工程は発酵工程を経て生まれる「もろみ」と呼ばれる発酵液から、アルコールや香味成分を取り出す工程です。ポットスチルの中でもろみを加熱し、液体の沸点の違いを利用して揮発してきた成分を分離させ、冷却器で冷やして液体に戻し、濃縮します。
白州蒸溜所ではポットスチルの下から1,200℃の炎で直接加熱しているので、香ばしく複雑な香味成分の豊富なウイスキーに仕上がります。この工程でウイスキーの香味の骨格ができあがるので、蒸溜工程はとても重要な工程です。

形も大きさもさまざまなポットスチル
形も大きさもさまざまなポットスチル
 

白州蒸溜所のポットスチルは山崎蒸溜所と同様、さまざまな原酒のつくり分けのために、複数の形の異なるポットスチルを備えています。
例えば、胴体部分にくびれがないタイプのポットスチルは、胴体部分にくびれがあるタイプのポットスチルに比べ、気体になりにくい成分もウイスキーに移行しやすくなり、重厚感あるニューポットが生まれやすくなります。反対に胴体部分にくびれがあるタイプのポットスチルは、蒸溜の際に釜の中で対流が起こりやすく、気体になりにくい成分はウイスキーに移行されにくく、すっきりとした軽快な味わいのニューポットが生まれるんですよ。

胴体部分にくびれがない「ストレート型」のポットスチル

胴体部分にくびれがない「ストレート型」のポットスチル
 

このポットスチルは、熱伝導のよい銅でつくられています。熱伝導がとてもよいため、胴体部分は外気温度の影響を受けやすい特徴を持ち合わせています。季節によって気温も変化するため、蒸溜の工程は四季の温度変化の影響を受けやすい工程でもあるんです。

特に冬の寒い時期は、銅を通して冷気がポットスチルの内部に伝わります。すると、加熱されて気体になって上昇してきた成分が、冷却器とつながっている最上部のアームにたどり着く前に冷やされて、液体に戻り落下します。落下した液体は再び加熱されて上昇してゆきますが、この対流を何度も繰り返していくうちに、軽快な味わいのニューポットを取り出すことができるんです。
ポットスチルの形状だけでなく、季節の違いも原酒のつくり分けにつながっているんですよ。

つくり手は白州の自然環境を活かしながら蒸溜を行ないます

つくり手は白州の自然環境を活かしながら蒸溜を行ないます
 

このように自然の影響も受けやすい蒸溜工程について、つくり手に話を聞くと、
「冬の白州蒸溜所は厳しく冷え込む日もあります。寒い日はポットスチルが冷えすぎてしまわないように蒸溜室の窓を閉め、気温が高い日は窓を開けて室温の調節をします。私たちはよりよい原酒をつくるために、白州の自然と対話をしながら手助けをしているんですよ」と聞くことができました。

ウイスキーづくりは、科学的には解明しきれていない部分がまだ多くあります。この蒸溜の工程でも、つくり手たちが白州の自然を肌で感じ、五感を活かしながらウイスキーづくりを行っています。白州の自然が、白州独自の味わいづくりに力を貸してくれているんですね。

白州蒸溜所ではウイスキーの製造工程を間近でご覧いただける、ガイドツアーを行っています。臨場感あふれるウイスキーづくりの現場を見に、ぜひ白州蒸溜所にお越しください!
白州蒸溜所のホームページはこちら


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ご案内係の水野めぐみです!
山崎蒸溜所でご案内係を務めています。

趣味はスポーツ全般。蒸溜所を知る前はワイン好きでしたが、今ではかなりのウイスキー通になりつつあります。

みなさんと一緒にこのブログを盛り上げていきたいです!

森川ユタカ 白州蒸溜所 森川ユタカ

ご案内係の森川ユタカです!
白州蒸溜所に勤務しています。

これまでビール工場、ワイナリーでも働いてきましたが、今はウイスキーの世界を探求中の28歳、健康男児です(笑)。

ツーリングやフィッシングなどアウトドア大好き!リフレッシュもかねて全国各地を走り回っています。

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